鹿児島はどうしても、薩摩藩として有名で、鹿児島市内の史跡や桜島が有名ですが、薩摩半島の南端近くにウィスキーの蒸溜所があるのはご存知でしょうか?
南さつま市というマイナーな市のはずれに位置している、津貫という場所に、鹿児島本社の酒造メーカーが作ったウィスキー蒸溜所があります。
そこはこの会社の創業者一族の住居などがあった場所で、鹿児島の中心地からも車で90分くらいの遠い場所ですが、昔ながらの石造りの焼酎蔵があります。
その中でひっそりと貯蔵されるウィスキー樽はその気候風土を余すことなく吸収して南国ならではの柔らかいウィスキーが作られています。
マルス津貫蒸溜所の基本情報
「マルス津貫蒸溜所」
〒899-3611鹿児島県南さつま市加世田津貫6594
営業時間:9:00~16:00 入館無料 駐車場:24台
鹿児島空港からリムジンバス、枕崎行きを利用して近くの停留所、上津貫で降りて歩くと30分ほどかかりますが、そのほうがおすすめです。
運転してくれる方がいる場合はレンタカーで行くのがいいでしょう。
県道270号線を南下、南さつま市の中心を通りすぎて緑の濃い中を進み、山のカーブを何回か曲がったころに、突如見えてくる赤い屋根の蒸溜塔が見えてきます。
この蒸溜塔は昔使われていたもので、この内部にはこの会社がこの地で、どのようにして酒造メーカーになっていったのか?がわかるコーナーになっています。
歴史をパネルにして説明してあり、蒸溜塔内部も見ることができます。
その隣に建てられた新しい蒸溜場内では、2機のポットスチルが設置され、ウィスキーの蒸溜の方法などが、ガラス越しに見学できるようになっています。
実際にスタッフが、何回も蒸溜中のウィスキー原液を取り出し検査していたりします。
原料のモルトなどが、大量に運びこまれたりしている様子も手にとるようにわかります。
また、石蔵樽貯蔵庫に実際足を踏み入れることも可能で、そこには大きな樽がいくつも静かに横たわっています。
これから熟成が進むための時を重ねている様子を、間近に感じることもできますよ。
試飲とおみやげ
そして、酒蔵見学のお楽しみといえば試飲ですが、こちらは工場の敷地の隣ににある、創業者が昔住んでいた本坊家旧邸を改装されたCafe Bar&Shop「寶常(ほうじょう)」にて可能です。
試飲は全て有料ですが、どのようなウィスキーなのか違いなどを確認するために、少しずつ味わえるのもウィスキー好きではなくても面白いものです。
こちらは昔懐かしい建築を改装した店舗になっており、昭和レトロな装飾を施した店内に、バーとショップが併設さています。
テーブル席も5席ほどあって、庭園を眺めながらのんびりと試飲をすることが可能ですし、そのウィスキーに合わせたおつまみもまた秀逸なのです。
南さつま市内や近郊の小さなお店が作り出す、地元の美味しいものとウィスキーを合わせて楽しむことができます。
時間が流れていくのを忘れさせてくれるような空間で、ゆっくりと癒しの時を味わうのはいかがでしょうか。
また、ウィスキーのみならず、隣の蔵で製造されている焼酎も試飲できますし、近隣で獲れる柑橘類のジュースなどもあります。
コーヒーなどもこだわりの店の豆を使っているので、喫茶として利用するのもいいかと思います。
ショップにはウィスキーや焼酎はもちろん、近隣の農産物で作製されたジャムや、海産物の燻製などその品揃えは豊富です。
ウィスキーの樽で作ったコースターや、ショップオリジナルのウィスキーグラスなどもあります。
お土産選びにはもってこいです。
瓶ものは重いという方は配送もしてくれますので、まとめてここでお土産を買ったら、あとは観光するのみと気楽に過ごせること間違いなしです。
お子様連れには少々向かないかもしれませんが、大人のグループ旅行には最適で落ち着いた雰囲気で、南国薩摩の気候風土を味わうのにはぜひおススメです。
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